ジローの話
ジローの話 : ジローが我家にやってきた!(柴犬ジローの話・1)
ジローが我家にやってきた!(柴犬ジローの話・1)大木晴子
1995年12月16日の朝は、少しいつもとは違っていました。
それは、我家に子犬が来る日だからです。
朝寝坊の連れ合いもこの日は、早起きでした。
毎年、この時期に行われるボロ市を知らせる花火の音まで我家にやって来る子を祝ってくれているように思えた日でした。
私たちは、簡単な朝食を済ますと家から7〜8分の所にあるYさんの家に向かいました。
私はこの日の為に、可愛い黒猫のアップリケがあるエプロンを着て子犬を包む新しいタオルを抱えて、ドキドキしながら・・・。
「どちらの子が来るんだろう」と話ながら足はだんだん速くなっていました。
Yさんの家には、大きなハスキー犬の武蔵君、柴犬メグちゃんと二頭の子犬がいます。
この二頭は、この日まで1号、2号と呼ばれていました。
メグちゃんは、近所に住む柴犬元気君と恋をしてお母さんになりました。
彼女は、柴犬保存協会から来た犬で体重11キロ、キツネ顔をした犬で皆から「野生のメグ」と呼ばれていました。
出産後は、一度も散歩に出ず子育てをしてきました。
それは見事な子育てをしました。
Yさんが「1号は、我家で、2号を大木さんのお宅に」と。この時から10月9日深夜に生まれた1号は、テツ。
そして日が変り10月10日生まれの2号は(写真右、顔がシワシワの方)は、ジローと名付けられました。
二頭とも足が飼い主に似て太く「大きくなるわねー」と大笑いでした。
私と連れ合いは、Yさんにジローの「父さん」「母さん」になれたことを感謝し、楽しく育んでいきたいと気持ちを伝えました。
匂いの付いた「オシッコシート」を一枚いただいてタオルにジローを包み、抱くとその温もりがこれから訪れる幸せな時間を予感させてくれました。
家に着くと玄関の土間に頂いてきた「オシッコシート」でトイレを作り、「ジロー君、ここでオシッコをしましょうね」と
しっかりと匂いを嗅がせて家の中を自由にさせていました。いろいろ珍しいのかクンクンと散策を始めました。
暫くすると、走って玄関に飛んでいきました。
シートの上で手と足を目一杯広げてオシッコをしました。
それを見ていた私たちは、終わると直ぐにジローをコロコロ転がしながら「ジロー、最高!」「ジロー、えらかったね。」
「ジロー、おりこうさん」「母さん、嬉しい!」もういっぱい褒めちぎりました。
また散策を始めたり、眠ったりしていたジローが玄関で「キャン・キャン」と鳴き、私たちはビックリして飛んでいくとシートの上に
5センチぐらいの太い立派なウンチがあり、その前でジローは鳴いていました。
「ジロー君、教えてくれたの、えらかったね。トイレに流そうね。」私が流し終わるのを見とどけるとジローは安心してハウスの中で眠りました。
この日から一度もトイレの心配をしたことがありません。
私たちは、この事一つでも、しっかり育ててくれたメグお母さんは凄いと感謝しているのです。
ジローが我家にきたのは、生後2ヶ月目、人の子だと3〜4歳の年にあたるそうです。(おおきせいこ)
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