ジローの話
ジローの話 : ボク、こわさないよ!( 柴犬ジローの話・2)
ボク、こわさないよ!(柴犬 ジローの話・2) 大木晴子
上の写真は、ジローが我家にきた時からの友達、縫いぐるみの動物たちです。
ジローが何処にいるかわかりますか。
ジローが生後5ヶ月になったある日、義父の食事時間ぎりぎりに帰宅した私は、いつも飛んでくるジローが来ないことに不安を覚えながら居間に行くと部屋の真ん中で座り、固まっているジローを見つけました。
ジローの前には、手から綿が飛びだしているぬいぐるみと綿のかたまりがありました。
ジローは、その手を見つめ哀しげな表情で座っていました。
一瞬、迷いましたが義父の食事を30分待ってもらうことに・・。
そのぬいぐるみをテーブルの上に置き、ジローをその前のイスに座らせました。
針箱を用意して、私はジローと向き合いました。
彼は、壊れたミニーちゃんも気になるし、母さんはこれから何をするのだろうと不安げに私を見つめていました。
白糸を針に通し、結び目を作り、ミニーの手のひらに飛び出した綿を戻した私は、ジローに「これから、ミニーちゃんチクチクしますよ。とっても痛いのよ。よく見ててね。」そう話し縫い始めました。
ジローは、目を点にして私の指先を見ています。
時々、厶ニャ厶ニャと何か話をしながら見ていました。
直し終わるとジローは、ぬいぐるみの傷口をナメ始めました。
暫くして、私が台所から出てくる頃には、彼はミニーの手に頭をのせて寝息をたてていました。
初めての緊張した時間に疲れたのでしょう。
この時から、彼はぬいぐるみを大切にするようになりました。
その話を聞いた友人からは、捨てるに捨てられないでいた思いでのぬいぐるみをジローにといただき、私たちも何か記念日には、プレゼントしてきました。全部健在、その数は60個近くになります。
ジローが我家に来てはじめての友達は、クマさんです。
生後3ヶ月目のワクチンも終わり、外のお散歩ができるようになったジローは、
一月のボロ市で父さんから買ってもらいました。
名前をクマピーとつけて今でも嬉しいことがあると必ずこれを持って、足にしがみついて甘えてきます。(おおきせいこ)
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