お知らせしたい。感動メイルです。
投稿日時 2003-10-15 16:21:28 | カテゴリ: 反戦・平和
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「お知らせしたい。感動メイルです。」 大木晴子 小田マサノリさん(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所非常勤研究員。民族学専攻。)が書かれたメイルの一部を掲載いたします。小田さんが言われる言葉に向き合っていただきたいからです。いま、一人ひとりが真剣に考えなくては、そう強く思うからです。 いま、イタリアの街に、はためくレインボー(PEACE・PACA)旗が日本のデモで西口広場で広がりを見せています。我家の窓にも何時も虹が見えす。 旗のお話です。 (ここから、小田さんのメッセージです) ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ "ひとりひとりが自分で自分の旗をつくること"これが、いまだ実現されていない「民主々義」の「原点」の風景のように思います。
「原点が実現されていない」というのは、なにか矛盾したことのようにも聞こえますが、「原点」というものを僕は単なる起源ではなく、何度もそこに回帰してゆき、また、そのつど、とりもどしてゆく場所だと考えています。
そして民主主義の理想形態とされる「直接民主主義」が「現実的な不可能事」としていまだ実現されていないように、その「原点」もまだ実現されてないように思うのです。
とりわけ、今年の春から夏にかけて国会で起こったことを考える時、 「直接民主主義」というものを忘却した(あるいは忘れたふりをしてる)、 いまの「議会制民主主義」をもとに物事を考えたり行動するのではなく、 その前提であり、原点であるはずの「直接民主主義」の可能性と その未来を、もういっぺん夢想するということから始めなおさなければ ならないのかもしれないなんてことを、いま、思いはじめています。
自由国際大学の創設に関わったヨゼフ・ボイスというドイツの芸術家は、 71年に「国民投票による直接民主主義のための組織」という運動をはじめ、 その翌年に開かれた国際現代美術展では、なんと100日間ものあいだ、 来場者を相手に、その実現にむけてのプランや夢を語りあいました。
このボイスの行動には、今でもたいへん勇気づけられますが、 実はこのボイスの運動の一年前に、花森安治は「暮しの手帖」に こう書いていました。
さて、ぼくらは もう一度、 倉庫や物置きや机の引出しの隅から おしまげられたり ねじれたりして 錆びついている<民主々義>を 探しだしてきて 錆びをおとし 部品を集め しっかり組み立てる。 <民主々義>の<民>は、庶民の民だ。 ぼくらの暮しをなにより第一にするということだ。 ぼくらの暮しと企業の利益とがぶつかったら 企業を倒すということだ ぼくらの暮しと政府の考え方がぶつかったら 政府を倒すということだ それがほんとうの<民主々義>だ。 [中略] ぼくらはぼくらの旗を立てる。 ぼくらの旗は借りてきた旗ではない。 ぼくらの旗の色は、 赤ではない 黒ではない もちろん 白ではない 黄でも緑でも青でもない ぼくらの旗はこじき旗だ ぼろ布端布(はぎれ)をつなぎ合せた 暮しの旗だ ぼくらは家ごとに その旗を もの干し台や屋根に立てる 見よ 世界ではじめての ぼくら庶民の旗だ ぼくら こんどは後へひかない 花森安治「一銭五厘の旗」
こんなふうに花森が描いてみせた「民主々義」のはじまりの風景=原点に、 僕はすっかりとり憑かれてしまい、これまでに何枚も自分の旗をつくり、 また、共感できる旗を集めてきました。その中には「殺すな」の旗や 「美学連」の旗、また「声なき声」の旗もあります。そして、いつか それがぼろぼろになった時、その布端布(はぎれ)つぎ合わせて、 自分のこじき旗をつくろうと思っています。
僕の夢(想)は、みんなが、それぞれ色もちがえば、かたちもちがう、 世界でただ一本きりのいろんな旗を立てて歩き、なおかつ、 自分で自分の太鼓をたたき、踊らされるのではなく、自分が出した音で踊る、 そういうデモなのです。
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/guest/publication/hanamoriyasuji.html ★ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 小田マサノリさんは、花森安治について下記の本、雑誌にお書きになっています。私もみんな読んでみたいと思います。 これから、掲載されるINAX出版の「議会制民主主義の終わりと狂い咲き国会サンダーロード」『10+1』第33号 (来年1月刊行予定)を楽しみにしています。小田さんの文章から、私はいつも勇気と元気をたくさんいただいています。皆さんも是非読んで一緒に元気になりましょう。 若い、皆さん読んでくださいね。 ★西口にも関係しています。INAX出版 『10+1』に書かれている「都市ノ民族誌」シリーズの前回は、「東京フォークゲリラ・ノーリターンズ」(別称=昭和残響伝)でした。(おおきせいこ)
「見よぼくら四人称複数イルコモンズの旗」 『現代思想』2003年2月号 青土社
「殺すなを殺すな?憲法第九条は破壊されたのではない、 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」 「市民の意見30の会・東京ニュース」78号 (リンクに市民の意見30の会・東京が入りました)
「花森安治と暮しの抵抗」 「図書新聞」2003年7月5日号
「前略、花森安治さま」 『暮しの手帖・別冊保存版?』(12月刊行予定)
「議会制民主主義の終わりと狂い咲き国会サンダーロード」 『10+1』第33号 (来年1月刊行予定)
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