世田谷区の教科書採択をこの眼で見て来ました。
投稿日時 2005-08-23 20:29:48 | カテゴリ: 反戦・平和
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世田谷区の教科書採択をこの眼で見て来ました。大木晴子
8月23日の朝は6時を少し回った頃に起床、「あぁ、さっき寝たのに!」とボーとする頭の中で思いながら「やる事はやらなければ」と元気を出して柴犬ジローの散歩、資源ゴミを出したり・・・。 今朝散歩しながらお子さんのいる方にたずねました「今日、教科書が採択されること知っていましたか」と聞いた人のほとんどが知りませんでした。 9時、区役所第二庁舎三階の窓口に着くともう番号札が配布されていました。私は33番、「抽選に当たると良いなぁー」と願いながら待ちました。
9時半に受付が終わり抽選をする部屋に通されました。ここでビックリ、6人しか傍聴出来ないとわかりました。抗議の声が飛びました。杉並区のように声だけでも別室で聞かせてほしいと言う願いは通りませんでした。 こよりは、申し込み者105名分用意されてその中に先が赤く塗られた6本がありました。番号順にこよりをひきます。私は外れてしまいました。 仕方が無いと諦めて写真を撮っているとポンと肩をたたかれ、「代わりに、入って来る」となんと「赤いこより」が私の手に・・・・。というわけで、6人の一人になれました。
受付で住所・氏名を書き、傍聴券をもらいました。会議室前で待つ間に職員の方に始まる前に室内の撮影をさせて欲しいとお願いをしました。杉並の時と違い優しい心配りが感じられる対応でした。 皆さんが席に着かれるとドアを開けて撮影が許可されました。携帯などで皆さんも一緒に撮られていました。 その後、6名の傍聴者が入り、審議が始まりました。沢山の議題の中、18年度に使われる中学校の教科書採択が一番初めに行われました。
結果は 社会(歴史的分野)清水書院 社会(公民的分野)清水書院 社会(地理的分野)東京書籍 地図 東京書籍 音楽(一般・楽器合奏) 東京芸術社
以上のように決まりました。これが決まる過程で、それぞれの委員が自分がなぜこの教科書を選ぶかを話しました。 農大学長のSさんは、全般に写真やイラストから子どもたちが想像、想像力、構想、空想など感性に訴えるイマジネーションを大切に考えて選ばれたと私は感じました。 教育長のWさんは、事実を見る目を大切にしたいと言われ歴史の各時代を多面的にとらえているもの、心の中に平和の砦をと言われて、基本的人権などを考慮して選ばれたことが伝わりました。 弁護士のSさんは、人間の尊厳をトップに扱っている書籍を選ばれたり、外国と我が国の関係がわかりやすいものをと言われていました。 PTA関係のKさんは、親の立場から子どもたちが読みやすく分かりやすいという点を大切に写真や文字など細かい所まで指摘していました。 私が一番心が熱くなったのは、委員長を勤められたNさんの言葉でした。Nさんは、この役に着く前、5年ほど大学で教えられていたそうです。その時に今の若者が20世紀の歴史を知らない。戦争の時代を知らないことにショックを受けて心を痛められ「子どもたちが可愛そう」と思われたそうです。「核って何ですか」と言う子どもたちに日本に原子爆弾が落とされた時の2ページにわたる写真が掲載されている教科書を私たちにも見えるように提示してしっかり伝えなければと言われました。 また、海外生活を長くされた経験から国際性を身につけ世界市民である自覚を持つことが大切とも話されました。 心配していた扶桑社の「つくる会」教科書は、初めに一人の方が「読みやすい本」と言われただけで、その後は「つくる会」の「つ」の字も出ませんでした。 私は、今回の傍聴でこれは、当たり前のことで杉並区の出来事は異常としか思えませんでした。 前回の審議も傍聴した方が、委員長のNさんが、「現場の先生方の使いやすい教科書を」そして子どもたちの未来を考えていることが分かる発言が良かったと話されていました。
外で行われた報告集会は、明るい笑顔が幾つも見られ、現場で頑張っている先生方には、ほんとうに嬉しいに日なりました。 この集会で、4年後に向けて気を引き締めて行こうと言う発言に現場で戦っている先生方の大変さが伝わってくるようでした。 杉並区で頑張っている方から「おめでとう」と声がかけられました。杉並では、明日(24日)12時から杉並区役所前で抗議集会が行われ、区に抗議の声を届けると報告がありました。(おおきせいこ)
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