「振り返らずにきた戦後」

投稿日時 2004-01-29 20:42:58 | カテゴリ: 反戦・平和

「振り返らずにきた戦後」 大木晴子
1月29日朝日新聞朝刊に第30回大佛次郎賞・大佛次郎論壇賞を受けられた小熊英二さんと山本義隆さんのスピーチが掲載されていました。
小熊さんは、「<民主>と<愛国>」という966ページもある本を書かれ今回の受賞でした。
「振り返らずにきた戦後」と題したそのスピーチには、こう書かれていました。
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私が書いた本がなぜ評価されたか考えると、思った以上に戦後というものが忘れられていたのだと思います。集合的記憶は20年か30年しかもたないのではないでしょうか。
今の大学1、2年生は84,85年生まれ、経済大国の日本を知りません。現在の社会やマスメディア、論壇を担う世代が40,50代に移り変ってきたのなら、彼らには70年代以降しかリアルなものに映っていないのではないかと思います。
敗戦直後、丸山真男や鶴見俊輔が必死になって考えたのは、日露戦争のときどうだったかということでした。当時の日露戦争は、現在から高度成長を振り返ったくらいの時期でした。しかし私たちは戦後を振り返らずに空白にしてきました。
私は、歴史上の声の力で評価を得たと思います。ありがたいと同時に、もう少し頑張らねば、そして力の及ばないところではみなさまに力をお借りしたいと思っています。
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「<民主>と<愛国>」ついては、ベ平連サイトで吉川勇一さんが書かれています。
http://www.jca.ax.apc.org/beheiren/saikin46Oguma.htm
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予備校講師をされている山本義隆さんは「磁力と重力の発見」で受賞。
「今回の受賞が、私と同様にアカデミズムの外で勉強している方々にとって、なにがしかの励ましになれば、と願って賞をお受けすることにしました。」と書かれている言葉に昔、集会で山本義隆さんの言葉を声をお聞きしたことがある私は、その変らぬ生き方の姿勢に胸が熱くなりました。(おおきせいこ)




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