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投稿者 : seiko 投稿日時: 2004-07-21 23:30:33 (1884 ヒット)
暑中のお知らせ!     大木晴子

暑いですね。
私は、都心で史上最高39・5度を記録した20日に映画「キング・アーサー」(アントワン・フークワ監督)を武道館で行われたプレミア試写会へ行ってきました。映画はスケールの大きさ、映像の美しさしっかりと楽しませてくれるものでした。お勧めです。

公開は24日(土)全国ロードショウです。
 映画を見終わり、会場の様子を見て感じたことは、日本では素晴らしい映画は育たないのではと少し寂しい気持ちになりました。
それは、映画のスタッフ紹介の画面に入ると広い武道館のあちらこりらから席を立ち歩き出す音が聞え始めました。スケールの大きなこの映画にかかわった人数は凄い数です。一人ひとりのスタッフがいて初めてこの素晴らしい映像が音声がそして演技がある。その陰に何百人もの人が一つの物を作り上げる情熱や努力があることを私は感じたい。会場が明るくなってさらにビックリしました。半数近くの人が最後まで見ていなかったのです・・・。
でも、映画は良いですね。元気がでます。
この日、一緒に出かけた友人が「明日も晴れ」PEACEのバンダナを
素敵に活用してくれて嬉しい♪♪

★ お知らせ、最初は「夏のメイシネマ上映会」です。
♪♪♪じっくり、二つの超長編ドキュメンタリーを観る♪♪♪
8月1日(日曜日)
「鉄西区」(2003年・ビデオ545分・ワン・ピン(王兵)監督)
日本占領中に設立され、後に人口の多い工業地域に変貌していった中国東北部瀋陽にある鉄西区、現在廃れゆくこの地域を「工場」「街」「鉄路」という三部構成の中に描き出した9時間におよぶ超長編ドキュメンタリー。山形国際ドキュメンタリー映画祭2003でグランプリーを受賞した傑作。
★ 第一部「工場」10:00から(240分)
★ 第二部「街」  2:50から(175分)
★ 第三部「鉄路」 6:10から(130分)
★ 代金:各部一回1000円・一日通し券2700円

8月15日(日曜日)
「SHOAH」(ショア)(1985年・541分ビデオ上映・クロード・ランズマン監督)
「SHOAH」(ショア)(1985年・541分ビデオ上映・クロード・ランズマン監督)
「SHOAH」は、第二次世界大戦下、約600万人ものユダヤ人がナチスにより計画的に虐殺された“絶減作戦”を奇跡的に生きのびたユダヤ人、加害者の元ナチス・メンバー、目撃者たる収容所周辺の村人たちによる証言だけで構成した9時間におよぶ衝撃作。戦慄の真実、世紀の傑作ドキュメンタリー。
(これは、私も観ました。ぜひ、お時間を作り、ご覧になってください。おおきせいこ)
「★ 第一部 10:00(147分)
★ 第二部  1:00から(114分)
★ 第三部  3:20から(140分)
★ 第四部  6:10から(140分)
★ 代金:各部一回800円・一日通し券2700円
(1日・15日の二日通し券は、4800円です。)
会場:小岩コミュニティホール
(江戸川区東小岩6?15?2)
メイシネマ上映会問い合わせ
03?3659?0179(TEL・FAX)

投稿者 : seiko 投稿日時: 2004-07-19 19:35:37 (2057 ヒット)
 

7月18日朝日新聞朝刊、第2社会面に高遠菜穂子さんの元気な様子の記事を拝見しとっても嬉しく思いました。私はページで人質にされた皆さんの事を意識して書きませんでした。でも心では、いつも明るく子どもたちに向けていた笑顔を早く取り戻してほしいと願い続けていました。その日は、必ず来ると確信に近い思いがありました。それは、皆さんのご両親、ご兄弟をテレビなどで知ることが出来たからだと思います。だから、私が書いたニュースは下記のものだけです。
http://www.seiko-jiro.net/modules/news/article.php?storyid=145
 高遠さんが、「イラクの現実忘れるのは無理」と再建支援の決意を初めて語られる集会が22日(木)に東京の中野でひらかれます。
 私は、この日北海道の仕事から二ヶ月振りに帰宅する家人を首を長くして帰りを待っているジローと共に労をねぎらいたいと思うので参加出来ませんが、心からエールを送り、イラク支援ネットワークの誕生にこれからも一緒に心を合わせていきたいと思います。(おおきせいこ)

★イラク市民と語る?私たちにできること★ 
日 時:7月22日(木)午後6:00開場/6:30開会
場 所:なかのZERO本館 大ホール
    (JR・地下鉄東西線 中野駅南口から徒歩8分)
http://www.nices.or.jp/02guidance/02-1-1.htm
参加費:¥1,000
 イラクでは「主権委譲」後の今も、十数万の米兵・多国籍軍が占領を続け、イラク市民に銃口を向け、罪のない人々が殺されつづけています。暴力の 連鎖は続いていす。自衛隊もこの「多国籍軍」に加わっています。私たちは、平和を求めるイラクの人々の声に応えているといえるでしょうか?
 22日、イラクの一市民がイラク市民の声を届けるために来日し、一市民の立場からイラクの真実を語ります。

イラクを取材したジャーナリスト、そして4月にイラクで拘束された高遠菜穂子さん・今井紀明さんとともに語り、今後私たち市民レベルでのイラク支援を進めていく機会として以下の報告会をすることになりました。当日は、イラク支援ネットワーク(仮称:アラブ・ホープ・ネット)の立ち上げを呼びかけます。
是非みなさまご参加ください。
そして、ひとりひとりが今後のイラク支援に動き出しましょう。
★プログラム★
■あいさつ 今井紀明さん 
■ 第1部 『私のイラクノート』報 告:高遠菜穂子さん
■ 第2部 『イラク人からみたイラクの現状と人質事件』
       ゲスト:イフサン・アリ・スレイマン氏(バグダッド) 
■ 第3部 ジャーナリストからのイラク報告
       ジャーナリスト田保寿一氏
■アラブ・ホ?プ・ネットワーク呼びかけ
□連絡先 チョウ ミス 03-3362-6307ピースボートセンター東京


★『みなさまへのご挨拶とイラク報告会』開催にあたって★ 
                    高遠菜穂子 
 私は、4月にイラクで拘束され、9日目に解放された高遠菜穂子です。無事に帰国し3ヶ月が経とうとする今も、皆様にご心配をおかけしたままでいますことをお許しいただきたく思っています。先日の韓国人の金鮮一さんの殺害のニュースを受けた時、少しずつ前向きになっていた心を奈落の底に突き落とされたような気がいたしました。
「私が殺されていたかもしれない」という恐怖と、「生き残ってしまった」という思いでいっぱいになりました。しかし、それは同時に、私がなぜ「生かされた」のかを真剣に問い直すことにもなりました。金さんやその他にも人質となって殺された方々、空爆や戦闘で亡くなっていく兵士と巻き添えになって死んでいくイラクの民間人、そして世界中で理不尽に散っていくたくさんの命に思いを馳せ、私にできることを再び全身全霊でやっていこうと決意しました。今回、イラクから友人のスレイマン氏が来日します。彼とは昨年の6月にバグダッドで知り合いました。ストリートチルドレンの件では、色々とお手伝いしていただき、子供達の就職先の斡旋もしてくれました。また、私が拘束された直後にバグダッドやファルージャでビラを配って解放を訴えてくれた命の恩人でもあります。22日は、彼にイラク人の本音を語っていただきたいと思っています。また、この1年を半年ずつイラクと日本で暮らして感じたこと、さらに事件後3ヶ月経った今、これからイラクとどう向き合っていくかなどを皆様にお伝えしたいと思っています。「真実を知る」ことは、おそらく怒りを抱えることになるかもしれません。しかし、怒りは怒りを呼ぶだけで泥沼化させるだけだということは、どこを見ても明白です。私は、私たち日本人ができること、それをイラク人との対話の中で皆様と一緒に見つけたいと切に願います。

★主催 呼びかけ人★
高遠菜穂子(ボランティア)・今井紀明(ライター)・郡山総一郎(フォト・ジャーナリスト)・森住卓(フォト・ジャーナリスト)・鎌仲ひとみ(映画監督)・きくちゆみ(グローバル・ピース・キャンペーン)・広河隆一(ジャーナリスト)・伊藤和子(弁護士)・七尾寿子(ほっかいどうピースネット)・相澤恭行(ピースオン)・山口たか(戦争への道を許さない女達の会・札幌)・小坂祥司(NO!!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト)・高遠修一(会社役員)・山田征(ヤドカリハウス)
★呼びかけ団体
ピースボート・日本国際ボランティアセンター・ピースオン3人を応援する会・劣化ウラン廃絶キャンペーン・日本ビジュアルジャーナリスト協会・イラクから帰国された5人をサポートする会・イラクの声を届ける会


    

投稿者 : seiko 投稿日時: 2004-07-18 19:10:48 (2070 ヒット)
 

負けない、諦めない、楽しく歩もう!   大木晴子

金曜日は牛込柳町の大正14年に建築された建物で営業している「新・浪漫亭」で行われた、神田香織さんの講談「はだしのゲン」に感動し、ふつふつと身体の中で細胞が「頑張れよ」と声をかけてくれているようなそんな気持になりました。香織さんへの思いは、写真も撮らせていただきましたので、近くエッセイ「神田香織『はだしのゲン』」を書かせていただきたいとデスクトップの仲間入りをしています。
 さて土曜日の朝、私の特技でもある「寝起きの良さ」は、幸せなことだと何時も感じながら数時間の睡眠でも気持ちのいい朝を向かえ、ジローの散歩、家の用を済ませ、「ジロー君がいるから母さん、安心してお出かけ出来るのよ、ありがとう。」と声をかけてプラカードやバンダナを両手で抱えるようにして代々木の東京平和映画祭の会場へ急ぎました。
 8時過ぎ到着するともうスタッフの皆さんが開場準備に忙しく動かれていました。バンダナを売らせていただく会場も広く、隣では憲法九条が印刷されたバンダナを販売、その隣は、ワールドピースナウの皆さんそしてぴーすぐっづプロジェクトです。「バグダット・バーニング」も販売されていました。
ちょぅと話がそれますが、「バグダット・バーニング」(イラク女性の占領下日記)は、もうお求めになられましたか。(出版社:アートン・1500円+税)
カバーに描かれている手もそうですが、カバーを外して見てください。
雲さんこと村雲 司さんの描かれた顔を隠すイラクの女性の手・・・。
素晴らしいですよ!

 さぁ、映画祭の会場では、ぴーす旗もバンダナも評判が良かったと思います。



バンダナは、可愛い娘さんが直ぐに使って下さったり、嬉しいですね。(フォトアルバムにも掲載)

500円の救援カンパつきレインボーぴーす旗も2枚買っていただきました。
バンダナも27枚も!人から人へ繋がってほしいと願いながら売らせていただきました。発売から一ヶ月が過ぎ、400枚近いバンダナがこのページから発信することができました。
鈴木一誌さんのデザインは、使っていただければ、
素晴らしさがわかっていただけると自負しております。
http://www.seiko-jiro.net/modules/news/article.php?storyid=174
楽しい使い方を一緒に考えてください。
 4時半過ぎ少し疲れたので、西口に立つ前にお茶でも飲もうと少し早めにバスで新宿西口へ向かいました。
駅に近づくと小田急デパート前地上に立って意思表示されている雲さんの姿がバスの窓から見えました。
5時過ぎ一緒に立ち始めました。
隣は、ビッグイシュー(ホームレスの仕事をつくり自立を応援する雑誌・200円)を売る体格のよい男性。
若い人が買っていきます。「面白いよね。この雑誌!」と私も声をかけて、ありがとうとお礼を言ったりしています。
第10号には、東京都で初めての女性樹木医、岩谷美苗さんが紹介されています。岩谷さんは「木はひねくれない、愚痴を言わない、どんなにひどい状況になっても、最後まで『もうだめだ』ってあきらめたりしない。尊敬しています」と・・・。
私も樹を見習いたい、諦めないで生きていきたい。
 やっぱり疲れが出てきたようで地下広場が始る前に少し休憩を取って広場に立つと直ぐに天井に設置されているスピーカーからいつものようにアナウンスが流れます。よく聞き取れないのですが、広場で物を売ったりしてはいけないという内容も入っているように聞えるのですが、バンダナの受け渡しは監視カメラに収められていますね・・きっと・・・・。
 広場は、20人弱の人たちでした。選挙でがっかりしてもみんな元気です。自分の気持ちを表現しています。
雲さんは「バグダット・バーニング」で使われた、イラク女性が
手で顔を隠しているイラストにNO WARと書いてあります。

選挙で忙しかった千代さんが「ただいま」と広場に参加です。
いつも輝く笑顔が素敵な方です。

いつも、小泉政権にバシッと一言。Nさんのプラカード。

いつもしっかり考えなければと思える問いかけに「あなたの応えは!」なんですか。

救援カンパの箱には、映画祭会場と西口で4人の方に入れていただきました。旗とバッジの収益金と合わせて5500円になりました。
これは、今回も74(ななし)救援会へ送金いたします。
http://awn.ath.cx/Free-J4/
今回もごめんなさい。立川テント村の皆さん、忘れていませんからね。
4日、最初に逮捕された若者2名の救援が弁護士費用の支払など大変だと聞いています。皆さんも協力をお願いします。
小さなお金も集まれば大きくなります。
300円のバッジは、200円で私は買っています。ですから100円がカンパになります。昨日は、映画祭で雲さんの「平和」14個「殺すな」バッジ5個、合計19個を買っていただきました。1900円のカンパができました。
74(ななし)救援会へのカンパは、「明日も晴れ」から7/10:10000円・7/16:16049円・7/19:5500円
合計31549円です。ご協力下さった皆さん、ありがとうございました。(おおきせいこ)

★ リンク集に「空へ!」?音楽から建築への旅?を掲載しました。
西口で意思表示をされているお一人。
純朴なお人柄がページから伝わってきます。お訪ねください。

投稿者 : seiko 投稿日時: 2004-07-11 14:54:05 (2294 ヒット)


『諦めは戦争協力の第一歩』行こう選挙!    大木晴子
 11日朝8時に、ジローと一緒に投票所へ行ってきました。戦争が起きれば弱い立場のジローたちにも・・・・「母さん、ジローの分までしっかり書いて来るからね。」と彼に言いながら投票箱へ一票。今日の散歩は、前から「投票に、行かれました」と声をかけて歩こうと決めていました。
 朝は、13名その内、数名の方は「どうでもいいわ」と思っているみたいでした。「諦めないで、ワンちゃんたちの未来の為にもね」と言うのが精一杯、ほんとうに何処から考え直さなければいけないのか・・・・この国はとため息ばかりついてしまいました。
 でも、諦めない!選挙戦最後の日、土曜日は熱い眼差しが人々に向けられ個が活き活きとしていました。
反戦選挙プロジェクトは、真夏のような暑さの中、目黒駅で「選挙に行こう」のチラシを配りました。ほんとうに頭が下がります。今度の選挙は、思い思いに拵えた言葉が活きているチラシを毎日のように、中野や阿佐谷の駅で、若者の街渋谷や吉祥寺駅、そしておばあちゃんたちの憩いの街巣鴨駅でも、勤めの帰り、学校の帰り皆さん元気に配り続けました。
今日は目黒駅の後、5時過ぎからは新宿西口で配りました。
私はこの時から合流してプラカードを持って意思表示をしました。
「選挙に行きましょう。平和に繋がる人に一票を入れてください。」
若者が通ると「あなた達の未来よ!考えて!戦争をしない人に入れてね。」「諦めないで、最後まで考えてね。」
子ども連れが通ると「子どもたちにしっかりした生き方を示しましょうよ。」と声をかけ続けました。
さぁ、6時、声が出せない広場での意思表示が始りました。
今日も言葉を替えて静かに立たれていました。


http://www.seiko-jiro.net/modules/news/article.php?storyid=167
このニュースでご紹介した「草の実会」の大倉さんと宮本さんが
立ち寄られて「用事があるので、少しだけ立たせて」と私が家から持ち歩いている「明日も晴れ」PEACE のバンダナで作ったプラカードとレインボーぴーす旗を持って初めての参加でした。

明るいお二人がいろいろ動かれて意思表示する姿に厳しい警備員の眼がひかりました。「柱を背に立たなくてはいけないの!」「いろいろうるさいのね。」と明るい会話が広場に響きました。
50年、腰を据えて反戦の意思表示をされてこられた「草の実」の方、堂々とした大らかさに「さすが!先輩」と心の中で叫んでおりました。
 欲しかった「草の実」最終号(NO474)をいただきました。
その中に吉武輝子さんが書かれた「志は同じ仲間として」という文章に「『諦めは戦争協力の第一歩』と思いを定めて生きてきた草の実の幕引きは、新たなる「わたくしは」の個人主体の運動の始まり」と書かれています。そして今日参加されたお二人も「草の実」は活きているのよ。本当に無くなるのは平和になったときよと言われ、また来るわねと約束をして帰られました。
 選挙前日の新宿西口地下広場、27名の言葉が行き交う人に「選挙に行きましょう」とその優しい眼差しで訴えていました。

まだ、投票に行っていない人、『諦めは戦争協力の第一歩』です。

あなたが広場にたったら、どんな言葉を持たれますか。
(おおきせいこ)
★カンパ報告
今日までの「救援カンパ」は、14549円です。

投稿者 : seiko 投稿日時: 2004-07-10 01:36:25 (4509 ヒット)


「私の三泊四日・・・サクランボの思い出」 大木晴子
 今年も500グラム入ったサクランボのパックを両手に持って35年前のあの日を思い出し、その味を確かめながら幸せな時を過ごすことが出来ました。
 1969年の7月も太陽がまぶしい暑い夏でした。

http://seiko-jiro.net/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=506

私は「草の根通信」に掲載された文章にも書きましたが、新宿西口地下広場が通路に変わり、「道交法違反」で14日の昼間に勤めていた出版社近くで「令状逮捕」されました。
 三泊四日のその時間は、いまでは考えられないほど、人情味あふれた人々との出会いを、思い返しても貴重な体験だったと思えるのです。
 最初に連れて行かれた新宿署では、私は「黙秘します」と言っても向こうは「せいこちゃん」と呼んでそれは親切な対応でした。
私は、“悪いことしていない”と思っていますから普段より観察力が働いて見るもの聞くもの珍しく、テレビで見る取調室と違うなぁーなんて思ったり、菊屋橋警察署への移動では、鉄格子の入った車の窓から神保町の交差点が見えると思わず「会社の側だわ」と大きな声で言ってしまったり、いま思い返すと若かったなぁーと苦笑しています。
 今はわかりませんが、当時は女性だけの留置場が菊屋橋署にはありました。私もそこへ送られました。
 身体検査があり、ヒモになるような下着は取られ私は二人部屋へ入りました。
同室の女性は、歳は30少し前ぐらいそれは美しいお姉さんでした。
 二人で向かい合い膝を立てて座ると、高い天窓から「友よ・・この闇の向こうには・・・」と聞き慣れた声が響いてきました。私は立ち上がり流れる涙を両手でふきながらみんなの歌声に震える唇を合わせていました。
 不思議そうに見ていたお姉さんは、「どうしたの」と声をかけてくれました。
私は西口でのこと、令状逮捕されたことそして仲間が支援の為に歌ってくれている事を話すと彼女は「あんた、幸せな人だねぇー」と。
お姉さんを見ると涙を流していました。
 歌が聞えなくなって、また向かい合って座ると「あんた、『つつもたせ』知ってるかい」と聞かれました。
「いいえ」と答えると連れ合いと一緒に捕まった様子を詳しく話してくれました。(自由の身になった時、辞書を引いて初めてつつもたせが美人局と書くのだと知りました。そして、その言葉の向こうには、辛い悲しい思いをしている人がいるのだとこの時、学ぶことが出来ました。)
 食事の少し前に、看守のおじさんに呼ばれました。
小さな部屋に通されると机の上にきれいな赤い、可愛いサクランボの入ったパックが置かれていました。
「洗ってあるから食べなさい」「差し入れだからね」と優しく伝えてくれました。

 嬉しかった!美味しかった!いまもその時食べたサクランボの味を思い出すことが出来ます。
あれから35年、毎年この季節が来ると情が感じられた人々との出会いを懐かしく思い出し、サクランボを差し入れてくれた連れ合いに感謝しているのです。(おおきせいこ)

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