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     『TPPの悪夢』 鎌田慧 東京新聞(2月15日)「本音のコラム」
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seiko
投稿日時: 2011/2/16 20:53
管理人
登録日: 2003/9/21
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投稿: 3623
『TPPの悪夢』 鎌田慧 東京新聞(2月15日)「本音のコラム」


東京新聞(2月15日)「本音のコラム」

『TPPの悪夢』 鎌田慧

 なん年か前、朝日新聞の一面で、都心のビルの地下にある田んぼが、大々的に報じられたことがあった。冗談みたいな話だが、記者は真面目に将来の可能性を追求していて、新聞社の知性に疑問を感じさせられた。おそらく、都会育ちだったのだろうが、記者特有の新しい物好きとはいえ、お天道様を無視する、罰当たりな記事だった。
 1970年代のはじめのころ、当時の通産省に行って「こんなにコンピューターにばかり力をいれてどうするんですか」と質問した。「足を引っ張るな。日本はコンピューターを輸出して、食料やアブラを買うんだ」と答えた。エリート記者も官僚エリートも極端だ。
 管政権が参加を決定しようとしている「TPP(環太平洋連携協定)」は、関税を下げて自動車や機械の輸出の拡大を図り、粗悪なアメリカ農産物をさらに輸入する亡国の政策である。日本のコメを中国の金持ちに売るチャンスというひともいる。農村を潰して建てたビルの地下で、科学的な純粋米でも栽培するつもりだろうか。
 防衛も通商も食料確保も対米従属では、日本の将来はない。それが政権交代への期待感だったはずだ。このままでは、農村の崩壊に歯止めがかからない。農村を破壊したあと、都会に住むひとたちは、生き残った農家へ買い出しに出かけることになる。戦後にもどるだけだ。(ルポライター)



2010年4月25日、読谷村で行われた沖縄県民大会後に
彫刻家・金城実さんのところで力強い作品の前で話される鎌田さん。
どんな時でも頷くことが出来る鎌田さんの生き方をその背中を
これからも見つめて歩んでいきたい。
11-02-16(おおき せいこ)
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