「命をつなぐ言葉」　
大木晴子　おおき せいこ

●幼子の言葉が聞こえた
　絵に描かれた幼子の口が動き言葉が聞こえたと言ったら誰もが「えっ！ほんとう」と
ビックリしたり「嘘だろう！」と言うだろう。
そんな出来事が2005年に丸木美術館を初めて訪ねたときに体験した。
「原爆の図」が展示してある二階へ上がり「幽霊」「火」「水」そして、
第四部作の「虹」の絵にきたときに大きな絵の右下の方で何かが動いた。
少女の腕の中で座っている大きな瞳のその幼子の口が動いた。
私はビックリするでもなく「なあに・・」と自然に言葉が出た。
その幼子の言葉は「見つめて！」だった。
その時から私たちは友だちになった。
美術館を訪ねるともう口は動かないけど見つめあうだけで会話が出来た。
苦しいとき、哀しいとき、その眼差しの中で「あなたの苦しみに比べたら・・・」
と何時も想うことが出来た。

●特別な記憶に残る開館記念日
　その後、５月５日の開館記念日、8月６日の「ひろしま忌」など訪ねるようになった。
2011年５月５日は、私には特別な記憶に残る開館記念日になりました。
一つは、混雑するゴールデンウィークに家族で車を使って出かけることは今までに一度も無かったのに、
連れ合いが私の気持ちを察して「一緒に行こう」と言い出してくれたこと。
一月から検査、検査、ひとりで遠出をする元気がない私は、諦めかけていた気持ちが膨らんで凄く嬉しかった。
また、幼子に会える！！

この日、小室等さんのコンサートが丸木夫妻の大作の絵の中で行われました。
「ベラルーシの少女」などロシア語で歌われた心に響く歌に魅せられ時を過ごしました。
はじめ私の体調も考えて、混む時間帯を避けようと途中で抜ける予定が、
連れ合いも私も同じ気持ちになって最後のアンコール曲が終わるまで楽しみました。
小室さんと娘さんに私のバンダナを差し上げてきました。
今年の夏は暑そう！使って下さって丸木美術館を思い出してほしいなぁ〜。

●平和に繋がる意思表示を
　私の病気は、リンパ腫！血液内科で検査が続けられています。
一月から受診してながい、ながい闘いの日々が・・・・。
そして３月１１日があり、福島の原発が・・・。
もう、たくさんの子どもたちが放射能の影響を受けてしまったのだろうか。
数年後、数十年後に出て来る病は、きっと私が体験した数々の検査を
しなければならないのだと実感するときに、私の想いは、
辛く、哀しくそして大きな怒りに繋がっていきます。
個の意思表示は、小さな力かもしれない。
でも、その温かい想いを繋げていけばきっと平和を育むことは出来る。

平和を守る戦いは政治活動ではありません。
人間や全てのものの生存を守る、最も基本的な、権利を守る戦いです。
見つめましょう。探しましょう。自分に出来ることを！！
生活の中から、平和に繋がる意思表示を！

私がホームページで何時も掲げている言葉です。
丸木美術館の想いと一緒にこれからも大らかに歩んでいきたい。

　この日も、二階に上がり幼子の前に立った。
不思議な気がした。気弱になっていた私に幼子は
「見つめてる！」と言ってくれたような気がした。
（丸木美術館評議員）


（写真撮影：大木茂）

11-07-18（おおき せいこ）




★この原稿は、丸木美術館ニュース第１０６号の
「2011年5月5日丸木美術館開館記念日報告」で掲載して頂きました。
下記に関連サイト・ページを掲載いたします。
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/index.htm
丸木美術館HP
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/top/tomo.htm
丸木美術館・友の会について
http://fine.ap.teacup.com/maruki-g/
「原爆の図丸木美術館学芸員・岡村幸宣さんの日誌」
http://seiko-jiro.net/modules/newbb/viewtopic.php?viewmode=flat&topic_id=1725&forum=1
沖縄・佐喜眞美術館に丸木ご夫妻が描かれた「沖縄戦の図」があります。
http://pub.ne.jp/shimura/?daily_id=20110717
志村建世さんのブログ記事・「原爆の図・丸木美術館を訪ねて」

「明日も晴れ」で丸木美術館を書いた主なもの。
2005年10月10日に 「無言館の赤いペンキ」 と言うタイトル記事の中で
「丸木美術館は、いま存続の危機にあります。」と書いたのが、丸木美術館を最初に書いたものです。

http://seiko-jiro.net/modules/newbb/viewtopic.php?viewmode=flat&topic_id=165&forum=1
「丸木美術館へ行ってきました。」
http://seiko-jiro.net/modules/news/article.php?storyid=700
「地下広場に丸木美術館！」
http://seiko-jiro.net/modules/news/article.php?storyid=705
「１２時間も留守しちゃった！！土曜日。」
http://seiko-jiro.net/modules/newbb/viewtopic.php?viewmode=flat&topic_id=270&forum=1
「ゆきも行った「丸木美術館」 大木ジロー」
http://seiko-jiro.net/modules/newbb/viewtopic.php?viewmode=flat&topic_id=261&forum=1
「今度はボクも見た「原爆の図」 大木ジロー」
http://www.seiko-jiro.net/modules/news/article.php?storyid=422
「原爆の図」の丸木美術館へ・・ボクも行ったよ！　大木ジロー

フォトアルバムから・・・。
http://seiko-jiro.net/modules/myalbum/photo.php?lid=467
「私の新しいプラカード！」
http://seiko-jiro.net/modules/myalbum/photo.php?lid=546
「丸木美術館ヒロシマ忌08-08-06」
http://seiko-jiro.net/modules/myalbum/photo.php?lid=671
2010年12月4日に丸木美術館の旗が広場に！
http://seiko-jiro.net/modules/myalbum/photo.php?lid=403
「広場に何時も！「虹」の絵が！！」

（2009年の丸木美術館開館記念日撮影）
丸木美術館からお知らせが届きました！！
ラジオ放送のお知らせです。
今年１月に放送された「わが心の人　丸木俊」が、
１８日深夜（日付は１９日に変わった後）に再放送されます。

丸木夫妻と親しい交友のあった画家の平松利昭さんが、
丸木俊さんの想い出を語ります。
ぜひお聴きください。


★NHKラジオ深夜便
８月１８日（木） アンカー：迎　康子
午前１時台（８月１９日午前１時）　
〔わが心の人〕アンコール〜丸木　俊
画家　平松利昭（Ｈ２３．１．２１放送）
http://www.nhk.or.jp/shinyabin/pro/2b4.html

--
：＊：＊：＊：＊：＊：＊：＊：＊：＊：＊：＊：＊：
原爆の図丸木美術館
開館時間　 午前９時〜午後５時
（１２月〜２月にかぎり午前９時半〜午後４時半）
休 館 日 月曜日（祝日の場合は翌平日）　夏休みは休館日なし
年末年始　　１２月２９日〜１月３日

ツイッター：http://twitter.com/#!/marukigallery
marukimsn@aya.or.jp
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/
355-0076　東松山市下唐子１４０１
TEL：0493-22-3266　FAX：0493-24-8371

晴子さんの「命をつなぐ言葉」をしみじみと読ませて頂きました。
そしてご主人の、小室等さんのコンサートの写真も。その後ろの「原爆の図」の迫力が胸に迫ってきます。丸木ご夫妻の絵は、子どもの絵本で観ただけですので、こんなに大きな本ものを観たら、夜も眠れない衝撃を味わうでしょうね。いつか美術館を訪れたいです。
ご病気との闘い、勝ち取ってくださいね。お体大切にがんばってください！！

marilyn さん、いろいろ投稿をありがとう。
凄く嬉しい！書く励みになります。
丸木美術館へは、行ってね！！

あと、少しだから起きていて聞きたいと思っています。
★NHKラジオ深夜便
８月１８日（木） アンカー：迎　康子
午前１時台（８月１９日午前１時）　
〔わが心の人〕アンコール〜丸木　俊
画家　平松利昭（Ｈ２３．１．２１放送）
http://www.nhk.or.jp/shinyabin/pro/2b4.html

ラジオも良いですよね。
最近、抗がん剤の投与のときに持って行くのですが
直ぐに眠くなるのであまり聴かなくなりました。
入院中は、よく利用していました。
連れ合いの旅のお供をしているラジオを借りています。

身体の方は、２３日の診察で次のステップへ。
疲れやすかったり、皮膚が弱くなったり、身体をどの程度動かしていいのか
わからなくて、自分で過保護になっている為に少し体重が増えたみたい！
診察日に疑問に思っていることを聞いて活動復帰出来ると良いのですが・・・・。
　
ぶっ通しデモ！！一日だけでもいいから歩きたい！！！
（2011・8・18/おおき せいこ）