水無月に入って初めての土曜日。
私は何時もより３０分早い４時半に
ビッグイシューを販売するＭさんの横に立ちました。



「Ｍさん！お孫さん、お元気ですか。」とたずねると
『実は今日これを持って来てくれたんですよ！』
そう言われてきれいな色、可愛い形の焼き物を見せてくださいました。
『旅先で作り、焼いてくれたお土産です。』・・・と
優しい笑みを浮かべてお孫さんのことを話されました。
気持ちの良いスタンディングを始めました。
暫くするとＯさんが私も今日は用事があるので少し早めに！
と言われて一緒に意思表示を始めました。

意思表示と言えば、今日は私たちの反対側で物乞いを
して、頭を深く下げきちんと正座をしている初老の男性がいました。
私は、挨拶を兼ねて前に置かれたビニール袋に百円を置きました。
その袋の中に彼の意思表示の言葉が書かれていました。



言葉を交わすと丁寧な穏やかなお人柄を感じました。
大勢の人が行き交う中で物乞いをされるには
想像を超えるような思いがおありなのだと思いました。
でも、きっと強くなれる！そう思うことが出来た。

５時半少し前に西口を出て西武新宿の駅に急ぎました。
各駅停車の電車でのんびり移動です。
目的地に着く頃、きれいな夕日が・・・・



この日は、吉川勇一さんのお連れ合いの命日です。
葬儀の日、棺の中の祐子さんに「天声人語」 を
読んで聞かせておられたことなどを思い出しながら
きれいな夕日を見ていました。





吉川さんのお宅に近い落ち着いたレストランで
元福生市議の 遠藤洋一さん 、渋谷で不動産業を営む原田隆二さん
そして、吉川さん同じ喫煙家のノンフィクション作家の吉岡忍さん や
作家・映像ディレクターの戸井十月さん と一緒に、
美味しいワインや料理をいただき吉川さんの煙草の話しや
たくさんの知らなかった話しが飛び交い、和やかな時間が
過ぎていきました。



吉川さんが出版された本への書評の話しも盛り上がりました。
吉川さんのご自宅でも本音で話す心地よい時が過ぎていきました。





吉川さんが入れて下さった美味しいコーヒーを頂いて帰宅しました。
老いていく人を見つめる眼がみんな優しいなぁ?と電車の中でも感じました。
（08-06-09・おおきせいこ）