2011年の春！
まだ、私の病気がはっきりとわからない頃、
最初の手術を終えて帰宅すると桜は満開でした。
柴犬ジロー と一緒に、またこの美しい花を見ることが出来て良かったと思いました。
今年は、花が長くしっかりと枝について不思議なくらいなかなか散りませんでした。



今年が最後かもしれないと何となく想いながら東北で亡くなられた皆さんを偲び、東北のお酒で宴をひらきました。



何度も思いました。
このまま樹木が保存されて、新しい家主さんが決まれば良いなぁ〜・・・と。
でも、ソメイヨシノ！ 桜の寿命 は、約100年と言われます。
我が家の桜は、80年！
風の強い日は、枝が折れないかと庭の樹々を心配する昨今でした。



ヒバの樹は、危なかったなぁ〜中が空洞になっている木もありました。
でもほとんどの木は、ある程度の長さで切られていたので安心しました。
以前、植木屋さんに聞いたお話だと使える木は２メートル程の長さに切るそうです。
何処かで何かの役にたつことが出来るとわかって嬉しかった。



切り始めて数日後、いよいよ桜の樹が・・・・。



翌日、柴犬ゆきを連れて近くのはらっぱ公園へ。






義父が使っていた大工道具や古い卓袱台（ちゃぶだい）を使ってほしいとお願いに！！
直ぐにリヤカーをひいて、一緒に取りに来てくれました。
「先日、廃材を頂いたお家ですか」と若者が・・・。
義父の家の取り壊した木材をたくさんもらってくれたようです。
はらっぱ公園では、みんなで食事などを薪を燃やして作ります。
「桜の樹は使わないかなぁ〜」と聞くとスモークにしていろいろ使うということで
リヤカーに積めるだけ積んでいきました。
ひとりの若者は、元大工さん！
「いい品物ですね。」と義父が使っていた大工道具を丁寧に見ていました。
これから子どもたちが、この道具を使って楽しい活動をしてくれると思うと嬉しかった。



近所の友人が、桜の枝を一本ほしいと取りに来ました。
彼女の話だといろいろ話題になっていたようです。
近くの小学校へ移植できないかとかいろいろ考えて頂いたようでした。



たくさんの皆さんに愛された桜でした。
少し遠くから散歩しながら花を楽しみに来られる方も。
私も４０年近く付き合いました。
手のひらにタコができるほど竹箒と一緒に付き合いました。



いよいよ、明日が根を抜く日・・・・。
夜、木を見つめていると大きな星が出ていました。
成田へ出かけたときに、美味しいお酒を買ってきました。
桜の樹にかけてあげる為に・・・・。



きっと、まだ何年も生きられた樹だったでしょう。
でも私たち夫婦が最後を見届ける運命だったのだと今は思います。
美しい花の思い出は、たくさんの皆さんの心の中に活きてほしい。
近くの老人ホームの方々が寂しく思われているとお聞きして今日は
連れ合いの写真集「汽罐車 よみがえる鉄路の記憶 1963-72」を持って訪ねて来ました。
11-11-16（おおき せいこ）