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     池澤夏樹さんの朝日新聞記事!(終わりと始まり)沖縄、根拠なき負担・2013年3月5日 気分はもう戦争? 努力なくして平和なし
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投稿者 スレッド
seiko
投稿日時: 2013/3/5 23:25
管理人
登録日: 2003/9/21
居住地:
投稿: 3623
池澤夏樹さんの朝日新聞記事!(終わりと始まり)気分はもう戦争? 努力なくして平和なし



池澤夏樹さんの朝日新聞記事!
2013年3月5日・朝日新聞・文化欄

(終わりと始まり)気分はもう戦争? 池澤夏樹

 気がついたら、戦争というものがずいぶん近くにぬっと立っていた。

 尖閣諸島に中国が攻めてくるというシナリオが週刊誌を賑(にぎわ)わせている。実際、領海侵犯はしばしばだし、一月十九日と三十日には中国海軍の艦船が自衛隊のヘリと護衛艦に射撃照準用の強烈なレーダー波をしつこく照射した。

 これはどうも中国海軍の勝手な暴走であったらしいが、統制の取れない軍隊は危険だ。偶発的な事態から双方がむきになって収拾がつかなくなる。

 先日まで戦争は映画と小説と劇画の中のものだった。それだって日本が関わるものは少ない。三十年ほど前に刊行された矢作俊彦と大友克洋の『気分はもう戦争』が扱うのは中国とソ連の国境紛争で、それに日本の若者が紛れ込むという話だった。冷戦下ではそんな設定しかリアリティーがなかった。

 ことを穏便に済ませる方策はないのか、と言うと、たぶん軟弱という言葉が返ってくるだろう。弱腰のまま国土を少しずつかじり取られたら日本はなくなってしまう、と。

 いかに制度を固めても国家は人間が動かしているのだから多くの矛盾があり、失敗があり、内部抗争がある。それを超えて結束を強めるために一定量のナショナリズムが必要になるのも理解できる。

 ナショナリズムを生産する最も安直な手段は外に敵を作ることだ。非常事態を宣言し、異論を封じ、すべてを外敵との戦いに投入する。それでも無能な指導者は無能なままだから、日米戦争は開戦から終戦まで三年八か月と八日かかった。そして日本は負けた。

 尖閣はそんなことにはならないだろう。なんと言っても小さな無人島を巡る「局地限定戦争」のはずだから。

 似たような例として一九八二年のフォークランド紛争があった。本土からはるか離れたイギリス領フォークランド諸島に、すぐ近くのアルゼンチンが侵攻した。領有権を巡る争いはずっと前からあって、内政に行き詰まったアルゼンチンのガルチエリ大統領が人気回復のために軍事行動に出た。

 イギリスではフォークランド諸島、アルゼンチンは同じ島々をマルビナス諸島と呼ぶ。このあたり尖閣諸島と釣魚諸島によく似ている。中国の政情もわかりにくいが、東京都があの島々を買うと言い出したのは尾が犬を振るような目立つ行為で、それが中国の好戦的な勢力に利用されたとは言えるだろう。くすぶっていた火に空気が吹き込まれた。

 一般に喧嘩(けんか)は、日頃の反感と、それぞれの思い上がりと、腕力の自信と、些細(ささい)なきっかけで始まる。挑発を繰り返すうちにひっこみがつかなくなる。頭に血が上って手が出る一方で、誰か止めてくれないかなとも思っている。

 フォークランド紛争は結果としてイギリスが勝った。しかしこの第二次大戦後初めての本格的な海戦で、イギリスはアルゼンチン側の一隻に対して六隻の艦船を失い、双方合わせて九百名以上の兵士が死んだ。敵に殺されたのではなく、戦争に殺されたのだ。

 ガルチエリは解任されて投獄され、サッチャー英首相の人気は急上昇した。戦争は勝てば元がとれる、のだろうか? 従軍した多くの若者たちの人生は、彼らが作るはずだった家庭や育てるはずだった子供たちは、国の威信の中に消えた。

 フォークランドと違って尖閣はそれぞれの本土にとても近い。偶然から戦線が拡大する危険は少なくない。

 平和主義という曖昧(あいまい)な言葉がある。

 平和というのはただのんびりした状態ではなく、戦争の原因を排除しつづけて得られる微妙な安定である。今、ヨーロッパ各国の間に戦争の気配がないのは彼らの努力の成果だ。それに対してアメリカはどこかで戦争をしていないと運営できない国のように見える。

 中国は本当に覇権国家を目指しているのだろうか? いつかアメリカを追い越して世界に君臨したいと思っているのだろうか? アメリカのように戦争による国家経営をするつもりか。

 それを実現するには今の中国の政体はあまりに弱い。アメリカが超大国になれたのは第二次世界大戦という契機があったからだ(これもまた戦争の利得なのだろう)。経済的に中国がアメリカを追い抜くことはないという予想もある(津上俊哉著『中国台頭の終焉(しゅうえん)』)。

 ナショナリズムは快感である。しかし「わが海上自衛隊の優れた能力は、歴史が浅い中国海軍の比ではない(麻生幾)」などと書くのでは中国側の官製報道と変わらない。

 どちらの国でも普通の人々は誰が戦争で利するのか考えた方がいい。というぼくの声が中国の普通の人たちに届くとは思えないが、同じように考える人があちらにもたくさんいることをぼくは信じている。(作家)


13-03-05(おおき せいこ)
★今回は、記事を掲載出来ませんでしたが、写真から読み取れるでしょうか。
ぜひ、朝日新聞をとって無い皆さんにも読んで頂きたいです。

私も何時も言い続けています。平和は育まなければ、努力して!
手に入れることは出来ないのです。
戦争はイヤ!と意思表示しましょう。

今日のニュースで中国の軍事力が凄い、凄いと流していました。
何かの一つ覚えのように、中国が攻めて来たらどうする!
と言って国防軍を作ろうと言い張る人たちがまた出て来る。

戦争を体験したこの国が出来ることは、何ですか。
愚かな出来ごとを繰り返さないことではないでしょうか。
二年目の3・11がもうすぐです。
昨日のニュースで、子どもたちの学校が100以上もまだ仮設とありました。
なにやっているんだろう!
戦闘機を数機!買わなければ直ぐにでも建つでしょう。
莫大なお金を使うスポーツの祭典より、東京都が被災地へ学校のプレゼントをした方がずっと素敵だ!
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題名 投稿者 日時
   池澤夏樹さんの朝日新聞記事!(終わりと始まり)沖縄、根拠なき負担・2013年3月5日 気分はもう戦争? 努力なくして平和なし seiko 2013/2/6 23:13
   » 池澤夏樹さんの朝日新聞記事!(終わりと始まり)気分はもう戦争? 努力なくして平和なし seiko 2013/3/5 23:25

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