反戦・平和
反戦・平和 : 《雲の25日 新宿西口》 村雲 司さんの土曜日報告
《雲の25日新宿西口》 村雲 司
4時50分頃、小田急前に到着。
残暑というよりも、「惨」暑と呼びたいような熱気の中、
宮川さんは帽子も脱いでお疲れのようすだったが、
何時もの微笑みで迎えて下さる。
スタンディングを始めると、直ぐに背中を汗が垂れて行く。
思い切ってショートパンツでもはいてくればよかったと後悔する。
湿度も70%は超えているだろうか。
重い空気の向こうにKさんの笑顔が現われ、救われる思いがする。
Kさんに続いてオランオランさん、そしてTさん。
直ぐにTさんが携帯でスタンディングのようすを記録し始めてくれる。
通り過ぎる人たちは、まだまだ夏休み風の人が多い。
休暇気分とこの暑さのせいであろうか、
私たちのアピールに目を留める人は何時も以上に少ない。
突然、白シャツの青年(30歳位かな)が、
私の「ジュゴンを守れ」のアピールを指しながら話し掛けて来る。
こちらに言葉を挟む余地を与えないで、一方的に自分の理論を語り続ける。
安倍首相の答弁に似ている。
論議にならない。
対話にならない。
彼の主張の概要はこうだ。
「バイオ燃料が主流になると、食糧問題に拍車が掛かり、
食物を奪い合う戦いが世界中で始まる。
戦争の時代が間もなく来る。
その時、軍備による安全保障は欠かせない。
日米安保も今以上に大切なものになる。
沖縄の痛みは小さな傷だ。
小さな傷のために、全身に関る病を見失っては行けない」というのだ。
食糧戦争の可能性は勿論あるが、彼はその戦争を前提としてしまっている。
戦争にどうやって勝つかしか頭にない。
何とか回避しようという姿勢が感じられない。
平和はそう言った努力の継続によって保たれるものなのに。
小さな痛みを大きな病のために無視すると言うのも国家の論理だ。
まず国民の小さな(国民一人一人にとっては大きな)痛みを癒すこと、
痛みを防ぐことが、国の営みの原点ではないか。
一方的に語って、Kさんが手渡そうとするチラシも笑顔で拒否して去って行った。
安倍首相もそうだが、外見は薄ら笑いを浮べ続ける
ソフトなものだが、心は頑なに凍り付いている。
他の意見に全く耳を貸さない。
流暢に日本語を話すのに、日本語が通じない。
こういう人たちの存在を頭では分かっていたが、実際に出会って見ると、
異星人に遭ったような底知れぬ恐ろしさを感じた。
世代間の差ばかりではない、何だろうか。
政治なのか、教育なのか、マスコミなのか、家庭なのか。
広場に下りてからも、ずっと考え続けるスタンディングとなった。
≪雲≫
今回の報告ページの写真は、男性Tさんの撮影です。
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