エッセイ
エッセイ : 春の香りを楽しむ「春巻き」
春の香りを楽しむ「春巻き」 大木晴子
もうすぐ、八百屋さんの店先に筍が並びます。
ヌカを入れて湯がき、冷めるまでゆっくりまつ、
そして真水にさらしながら「どんなお料理を作ろう」と考える。
先の柔らかいところは、ワサビ醤油でサシミに!
その次は、木の芽合えに、そしてさっと和風味でワカメと煮物にします。
最後には、かたい部分は、春巻きにしましょう。
パリッと春巻きの皮が割れ口の中に春の香りが飛び込んできます。
年に一度ぐらいのんびり食材と向き合いながら作る一品があっても良いですよね。
この春巻きの作り方は、友人のUさんから教わりました。
Uさんとは、子どもが欲しいと思い続けていたころにK病院で出会いました。
何十人と無言で診察を待つ中で隣どうしで座ったのが始まりでした。
話をすると不思議なことに、我家から一本道を隔てたところに住んでいました。
それから共に苦しさを分かち合う友になり、私も彼女もお母さんには、
なれませんでしたがこの時期に人の痛みを感じることの出来る優しさを
身をもって学ぶことができたこと感謝しています。
Uさんから伝授していただいたこの料理は、来客や集まりに料理を
作ることの多い私はいつも感謝しています。
もう何百本も作りました。その時々に、味を替えて作り続けた「春巻き」です。
筍の水煮を使って一年中作ることはできますが、
ぜひ春の香りの「春巻き」を楽しんでいただきたいと思います。
http://www.seiko-jiro.net/modules/wfsection/article.php?articleid=19
(おおきせいこ)
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