(2009年2月ジュゴンの見える丘より撮影:大木晴子)
俳 句 余 想「梅が丘通信」琉球早春号(2009年2月25日)村雲 司
春の空特攻の道辿り飛ぶ
沖縄が近付くと日航機は南西諸島伝いに那覇へ向った。モニターに浮かぶその航空路を眺めながら、太平洋戦争末期に沖縄本島を囲む米艦隊に向った特別攻撃機のことを思った。白く輝くサンゴ礁が見えて那覇空港が近づく、あの時彼等にとって沖縄は何んだったか…。国を護るために飛んだのか、家族のために飛んだのか、沖縄の人々のために飛んだのか。
かけがえなきこの海の風光る
ジュゴンの絵本まで書いたのに、今までジュゴンの棲む海・辺野古の海に行くことが出来なかった。二月はじめ沖縄平和ツアーに誘われ、この機会を逃してはと心に決めて、二十数年振りに沖縄に出掛けることとなった。辺野古が近付くとバスからの景色が既視感に溢れる。何度も想像した町の様子に胸の鼓動が高まった。
春辺野古青の階調遥かなり
初日は辺野古の海を前にして、無言で立ち尽くすばかりだった。
翌日船で辺野古崎から大浦湾まで案内して貰う。浅瀬の緑色が沖に向って次第に青さを増して行く、その階調の変容が美しい。この海を壊すに値するものがある筈はないと確信させる美しさだ。とても凪いだ日で希少な青珊瑚さえも船上から目視することが出来た。
海壊し遺跡穢して基地春塵
が、一度顔を上げれば陸地には米軍基地キャンプ・シュワブがひとつの街のように広大な面積を占拠していた。眼を逸らしても逸らしきれないもの、それが沖縄の米軍基地だ。そして、その基地を更に強化して新基地を造ろうというのである。計画される二本の滑走路は大きく海にはみ出る。まず工事によって土泥が海に流れ込んで多くの珊瑚を失うことになるに違いない。珊瑚礁にだけ生える海草を食べるジュゴンもそれによって大半が死滅しよう。既に滑走路のための突堤造りが、環境調査も終らぬというのに始まっていた。その周辺の海は明らかに濁っている。この辺りの海岸には貨幣として使われた貝も出土しており、そうした調査もなされぬままに、巨大な工作機械が唸りを発して動き出している。
長閑かなる銃撃の音に花冷える
浜には米軍の演習音が絶え間なく響いていた。心に刺さるような銃撃音もあるが、多くはトントンと太鼓でも叩くように妙に朗らかに聞こえる。その朗らかさ、日常性が怖い。
陽炎に揺れて揺るがず辺野古浜
まずこの海岸に座り込みを始めたのは、おじいおばあたちだった。人々を養い続けてくれた海。陸地が焼き尽くされた沖縄戦の後も命を支え生活を支えてくれたこの恩ある海を壊させまいと座ったのだ。以来十二年余が経つ。その一人、辺野古の心棒のような「嘉陽のおじい」の話しを聞いた。おじいは終始笑顔で希望を語り続けた。「負けるためにやってるんじゃない。みんなで幸せになりましょう」と笑いかける。その潮風に鍛えられた力強い表情に励まされた。
春眩しやがてジュゴンの群れる海
大浦湾を見下ろす高台に登った。「ジュゴンの見える丘」と呼ばれている。辺野古の餌場へと湾を横切って泳ぐ姿が、昔は多く見られた場所である。残念ながらその姿に会うことは出来なかったが、光り輝く海原は数十頭のジュゴンが群れ泳ぐようすをまざまざと目に浮かばせた。上陸用舟艇が珊瑚を踏みにじり、銃撃音が海にこだまするようなこの悪しき環境が排される日を思う。沖縄全体が自由交易区となり自然保護区となり、更に無防備地区となるなら、この丘も辺野古の町もアジアから訪れた人々の笑顔で満ち溢れるに違いない。
名護市の書店に「琉球自治州構想」という小冊子を見つけて購入した。米国と日本による複雑に絡む二重支配下でも、自立を摸索する情念は燃え続ける。
琉球の情念の緋や寒桜
まだ二十代の頃、沖縄復帰運動が大きく盛り上がっていた時、沖縄出身の友人に向って「沖縄は独立すればいいんだ」と軽々しく言って、烈火のごとく怒られたことを何時までも忘れることができない。「沖縄のために何かをやっている者以外に、そのことを口にすることは出来ない」と叱責された。今度の旅では、丁度寒緋桜が島中に咲いていた。濃い緋色でじっくりと俯き加減に咲く花の姿が目に焼きつく。ぱっと明るく咲いて、あっさりと散っていくソメイヨシノの軽薄さを思った。沖縄の犠牲に、尚も甘んじている自分の軽さに重なる。
春の虹「スペインレストラン・ハワイ」のある島
複雑な名前のレストランがあった。バスの中から眺めただけだが、直ぐにメモしたから多分間違いはないと思う。移住した人が帰って来て、ハワイで学び取ったスペイン料理の店を開いたということなのであろうか…。沖縄の地球上の位置はまさしく文化文明の交差点である。異文化が融け合って新たな文化が生まれる。琉球王国が五百年以上も続いた理由がそこにあると思う。しかし今、文化の交差点は米国と日本の支配の交差点と化している。
主亡き平島丸ひとり春の月
「ひさ坊」と愛称された船長の船が一隻だけ突堤に繋がれて揺れていた。船名は「平島丸」。辺野古崎の目と鼻の先に浮かぶ小島の名前である。それでも分かるようにこの海を愛して止まず、おじいおばあたちの抵抗を支えて来た船長だ。しかし、昨年病気で亡くなってしまった。他にも座り込みを続けたおじいやおばあの何人かが亡くなった。国家と対峙する抵抗は消耗戦である。税金に裏付けられた国家に勝つためには大きな犠牲が強いられる。
花時も樹林の奥の鉄茨
平和ツアーは辺野古を中心に島内で抵抗する様々な人たちを訪ねた。北部の高江には米軍ヘリ訓練地が六ヵ所も造られようとしていた。新たな鉄条網の広がりを許してはならない。そして何時か、島中から全ての鉄の茨を刈り取らなければならない。
俳句余想「梅が丘通信」冬の月号
(2009年2月辺野古で撮影:大木晴子)
朝日新聞の「声」を読んで!弥生月最初の土曜日 大木晴子
新しいパソコンになってiPhotoがいろいろ出来るので
少し写真を大きく掲載していきます。
7日の土曜日は、朝日新聞に掲載された雲さん の投稿を
読んでたくさんの人が参加した意思表示なりました。
5時からの地上は、5人で始まりました。
以前、ベトナムの旅でご一緒した 荒井さん は、可愛いかすみ草の花をつけたプラカードを京都からそのまま持って来られました。
京都駅!一人で立ち始めた意思表示!いまは5人になったと嬉しそうに話されていました。
地下広場に立つと 志村建世さん はじめ次々に雲さんを訪ねて来られた皆さんが・・・・。
大学時代の後輩でいらした女性の方も!
「ブーゲンビリアのきちきち日記」 を書いている小牧さんは、
「市民の意見30 の会・東京 」 のニュースを持って意思表示でした。
このニュースの中には、私のこのページのタイトルデザインを考えて
作ってくださったデザイナーの 鈴木一誌さん がエッセイを書かれています。
この次の号で10回目になります。
私のページで掲載が始まりました。もうすぐ二回目を!お楽しみに!!
K島さんが・・・・。
Aさんが・・・・。
隣の荒井さんと話されいる方も投稿を読まれた方だったようです。
斎藤 明さんが・・・・
「大木さん!顔を大きく写してね」と念をおされて!気合いを入れて一枚!!
斎藤さんの隣では一番ご高齢のKシスターが立たれています。
2月21日の土曜日に立たれたTKさん と一緒に。
仕事の途中で意思表示に!だから私のプラカードを持って!
小牧さんに撮っていただきました。
慌てていたのでバンダナの旗が裏返しでしたね!
今度は、志村建世さんとご一緒に!
雲さんと話されている方が、朝日新聞「声」を担当された方です。
OさんとTさんの旗が美しい地下広場でした。
今日は出会いの多い日でした。
Tさんもご友人の方が通られて久しぶりの再会を喜ばれていました。
行き交う人の眼が止まります。
迫力のあるkiss-meさんの言葉に・・・・・。
Sさんは、今日も仕事が忙しくて7時になってから到着でした。
でも「ぼるが」での辺野古ツアー写真スライドショーには間に合いました。
沖縄で闘う人、支援する人、素敵な表情の皆さんをみてほっとします。
毎日、「この人!何をかんがえているのだろうか」とすっきりしない人たちの
顔を見なければならない社会情勢に「もう!うんざり!!」と思っている人
多いと思うなぁ?。
一人の少女の幸せも考えてあげられないこの日本は・・・どうなっているの!
私に環境やお金のゆとりがあったらその少女をあずかって強くたくましく
大らかにともに歩み酷い人たちを見返して彼女に心の勝利!を
温かく優しい生活をプレゼントしてあげたいと我が家で言い続けている。
国の面子で強引に強制送還!冗談じゃない!!
少女の心をこんなに傷つけて・・・どうしてくれるの!!
何にも出来ない自分が辛いなぁ?。
13日の金曜日に入管まで行こうかなぁ?。
「平和のバンダナ」をあげたいなぁ?。
(09-03-10・おおきせいこ)
見つめる眼が優しいなぁ? 立つ人も行き交う人も 大木晴子
(私の写真は、ビッグイシューを販売しているMさんに撮っていただきました)
如月が終わる日は、ちょうど土曜日でした。
K島さん、雲さん、そして私のプラカードと言葉が繋がって
面白いほど見ていかれました。
そして、Oさん、Aさんが来られました。
Oさんからは、菜園でとれた大根で漬けた 沢庵 を頂きました。
地下広場には、K島さんの側にいつも 小松ミつさん がおられます。
工事中の壁の前で雲さんが立ちます。
警視庁のポスターがたくさん貼られていますが負けていませんね。
集会や仕事で立てない方が多かったようで久しぶりの一桁!
コンサートに行かれる前に地上に寄って写真を撮ってくださった
ムキンポさん を入れて8名でした。
でも、Oさんの旗が明るく元気でした!
「第8期市民意見広告運動」 主催で渋谷の「東京ウィメンズプラザ」3月7日(土)に
映画「アメリカばんざい」の上映と監督と若い世代とのトークが行なわれます。
意見広告運動で頑張るUさん、今週も頑張っています。
「ジローの殺すな」のプラカードを持ってAさんも元気です。
ご高齢のKシスターが立ちます。
平和への想いを願いをこの言葉に込めて。
(09-03-03・おおきせいこ)
(撮影:ムキンポさん)
地下広場は工事中!2009年2月21日の土曜日!! 大木晴子
新宿西口で3時から 街頭情宣行動 (「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」)
があると聞き、私もポチの「辺野古を見つめて」を持って参加しました。
5時からの地上での意思表示は、K島さん、Oさん、Kさんと一緒に!
雲さんは、 ご友人 が亡くなられてお休みでした。
(撮影:ムキンポさん)
6時、地下広場に降りるとまた風景が変わっていました。
暫く工事中です!!
雲さんが立つ柱、私が何時も立っている柱は鉄板で囲われていました。
残っていた丸いタイルはとうとう無くなってしまうのですね。
一枚!欲しかったなぁ?。
「第8期市民意見広告運動」 主催で渋谷の「東京ウィメンズプラザ」3月7日(土)に
映画「アメリカばんざい」の上映と監督と若い世代とのトークが行なわれます。
映画「アメリカばんざい」 は、私も観ました。お勧めの映画です。
この記事をみるととりたくなりますね・・・「琉球新報」!
私は政局のニュースを見るたびに、K島さんのこの言葉を思い出しています。
ムキンポさんに記録を撮っていただけて感謝!
Oさんの旗が目立ちます。辺野古を知ってほしい!たくさんの人に!!
先週お休みのSさんが元気に来られました。
画集に言葉を書き、立ちます。
隣は、Aさん!今日は出先から柴犬ゆきを持って意思表示でした。
クリスチャンのSさんも拘りを持って揺るぎない意思表示です。
寒さに負けない!
ご高齢のKシスターが立ちます。
戦争は嫌です。
広場に新しい言葉の風が吹きました。
TKさんの言葉です。
神経を研ぎすまして想うことが出来たら・・・・
世界が平和を育むことが出来るはずです。
見て下さっています。
写真を撮りながら思いました。
「戦場のフォトグラファー・ジェームズ・ナクトウェイ」の映画の中、
ナクトウェイが、「もしみんなが、リン化剤の粉が子供の顔にどんな影響を与えるか、
たったひとつの銃弾が当たることでどれだけの説明しがたい痛みを生むか、
ギザギザな榴散弾の破片ひとつがどうやって人の脚を吹き飛ばすのかを、
一度でいいから自分の目で見ることができたなら、と思うことがある。
もし誰もが、自分の目で、恐怖と悲嘆をただの一度でいいから見ることができたらなら、
何千人どころか、たったひとりの人間でさえ、戦場に立たせる理由などないと
理解できるだろう。」と言った言葉を思い出していました。
(09-02-23・おおきせいこ)
個が見つめる!・・・強く、優しく、大らかな広場! 大木晴子
Aさん フォトアルバムにも掲載しました。
第8期意見広告運動 主催の映画と講演があります。
懐かしいなぁ?、第1期意見広告運動は最初5人で始めました。
西口で立つKさんと私もその中にいました。
意見広告のページから当時私が書いた『事務局だより」が読めます!
あれを書かなかったらきっとこのホームページも誕生してなかったと思います。
「2009年1月16日「以前はできたはずのビラ撒きに不当介入!!!!」」 に出て来る
ヒョウ柄の女性を地下広場で見かけたことがあるような気がする!
また!道交法で来るのかなぁ?。多分「オリンピック反対!」なんて
みんなが同じ思いで意思表示なんかしたらいっぺんでやられるような気がしてきた。
や?な世の中!!やっぱり声を出さなくちゃ!
7年目に入ってはじめての新宿西口!私は新しい
「沖縄・辺野古を見つめて」 のプラカードを持って立ちました。
辺野古のポチくん!人気がありますね!
ガザも見つめて!
次のイスラエル大使館前 のスタンディングは
2月20日の金曜日!
一日が目一杯の土曜日でした。
早朝の犬の散歩や猫ちゃんたちの世話!
午前中には、千駄木のお寺で心地の良い法事に・・・・。
ご住職のお話に心を打ち元気を頂いて帰宅。
急いで家の用をすませて4時過ぎにバスに飛び乗り!
新宿へ向かいました。
今日は特別重いカバンを持って出かけました。
ノートパソコンの中には、沖縄の旅で撮って写真を入れて!
意思表示の後でボルガで皆さんにみていただきました。
「みんな、良い顔をしている!」
闘っている顔は、優しい眼、大らかな口元
一緒になってほほ笑んでしまいそうな心地の良さが伝わってきます。
いま、話題の議員の人たちが見たら「恥ずかしい!」と
きっと、思うことでしょう。
闘っているおじぃ、おばぁの手は歩んで来られた時を想像することが出来ます。
1400枚の中から340枚にまとめたスライドショーを
機会があればたくさんの人にみてほしいなぁ?。
そして、沖縄・辺野古、高江のこと・・・・。
沖縄の平和運動のことを知ってほしい。
(09-02-17・おおきせいこ)